登山靴サイズ選びの基本:足の計測と「捨て寸」
登山靴選びでは、足の正確な計測が重要です。足長、足囲、足幅の3点を測定しましょう。ご自身の足型を把握することが何よりの最優先事項です。
正しい足の実測値を知ったら、「捨て寸」を考慮します。登山靴、トレッキングシューズのサイズは、実測値に対して1.0cm~1.5cm程度の捨て寸を設けるのが一般的です。
これは、つま先部分に指一本分の余裕がある状態を指します。
メーカーによって推奨は異なります。キャラバンでは、普段履きの靴サイズより0.5~1.0cm大きめを推奨しています。試し履きでサイズ感を確認しましょう。
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SPORTIVAのような本格登山ブランドでは、cm表記は実寸です。このように個人の足型や好み、ブランド、モデル、年式でシューズのサイズ感は常に変動します。
「捨て寸」がなぜ必要か?
「捨て寸」は単なる余裕ではありません。登山時の足の安全性と快適性を保つ上で、極めて重要な役割を担います。
まず、下り坂での衝撃緩和です。登山では下り坂で足が靴の中で前方にずれます。このとき捨て寸がないと、指先が靴の先端に強く当たります。
爪の損傷、血豆、痛みなどの原因となります。適切な捨て寸は、この衝撃を吸収し、足のトラブルを防ぎます。
次に、厚手靴下への対応です。登山ではクッション性や保温性、吸汗速乾性を高めるために通常より厚手の登山用靴下を着用します。
捨て寸は、厚手靴下を履いた状態での快適なフィット感を確保します。
さらに、足のむくみ対策としても捨て寸は機能します。長時間の歩行や高所での活動により、足はむくんで一時的に大きくなります。
捨て寸はむくんだ足への圧迫を軽減します。
登山靴選びにおける「捨て寸」は安全で快適な登山のための必須要素です。
登山靴の種類と足型に合わせた選び方:計算式からワイズまで
登山靴の最適なサイズは、足の長さだけでなく、山行のレベルや足の形によって異なります。自身の登山スタイルと足の特徴を理解することは、正しい靴選びと楽しいトレッキングの初歩です。
「捨て寸」を含めたサイズの計算式
登山靴のサイズの基本的な計算式は、「実測足長 +
1.0cm~1.5cm」です。
足の実測長が25.0cmであれば、26.0cm~26.5cm程度の靴が適正です。
山行レベルで選ぶ登山靴の種類
登山靴は大きく3つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を理解し、自身の登山計画に合ったものを選びましょう。
- ハイキングシューズ(ローカット):
整備された平坦な道や公園の散策、軽めのハイキングに適しています。軽快で動きやすく、普段使いも可能です。足首のサポート力は低めです。 - トレッキングシューズ(ミッドカット):
日帰り登山や低難易度の登山、山小屋泊の縦走など、比較的整備された登山道に適しています。足首を適度に保護しつつ、歩きやすさとのバランスが良いのが特徴です。初心者におすすめです。 - マウンテンブーツ(ハイカット):
岩稜帯や雪山、重い荷物を背負うテント泊縦走など、より過酷な環境での登山に適しています。足首を強力にホールドし、ソールの剛性が高く、安定性と安全性を重視した設計です。
足囲(ワイズ)の選び方:足型に合ったフィット感
足長だけでなく、足囲、足幅、甲の高さといった足型全体に合う靴を選ぶことが重要です。メーカーやモデルによって木型が異なるため、同じサイズ表記でもフィット感は大きく変わります。
一般的に、日本メーカーの登山靴は幅広タイプで、海外メーカーはスリムです。
キャラバンやKEENなどが幅広のユーザーに好評です。
一方、足幅が広すぎると、靴の中で足が横滑りします。大きすぎるシューズは靴擦れやマメの原因となります。
足囲や足幅は、靴のフィット感を大きく左右します。足長と同様に自身の足型を正確に把握しましょう。
登山靴の試着で失敗しないためのポイント
以下のポイントを押さえて、ご自身の足に最適な一足を見つけましょう。
まず、実際に登山で使用する靴下を着用して試着しましょう。用意できないなら、二枚履きなどで対応します。
靴を履いたら、つま先を靴の先端にトントンと合わせます。かかと部分に指1本分(約1.0~1.5cm)の余裕を見ます。
次に、店内の傾斜台や階段を使って、登り・下りの両方で試し歩きをします。下り坂でつま先が靴の先端に強く当たらないか、登り坂でかかとが浮きすぎないか、横方向への足のずれがないか、これらを入念に確認してください。
足は時間帯によってむくみます。足がむくみやすい午後に試着するのがより正確なサイズ選びにつながります。
機械による計測も有効ですが、最終的にはご自身の履き心地、フィーリングが最も重要です。
登山靴選びの落とし穴とユーザーからのアドバイス
他の登山者の経験やアドバイスを参考に、ご自身の靴選びに活かしましょう。
多くの人が経験するサイズ選びの失敗談
「スニーカーと同じ感覚でジャストサイズを選んでしまい、下り坂でブラックトゥになった」という声が多く聞かれます。
これは典型的な失敗例です。
「インターネットで試し履きせずに購入し、実走で後悔した」という意見も多くあります。登山靴は、メーカーやモデルによって特徴が大きく異なります。
一方で、「大きすぎる靴を選んだ結果、靴の中で足が動きすぎて、靴擦れやマメができた」という失敗談もあります。
捨て寸は重要ですが、過度な余裕もまたトラブルの原因です。
中には、長年登山をしていても「自分の登山靴のサイズを勘違いしていた」というユーザーの反省の声もあります。「足裏が痛くなるのが普通だと思っていた」というケースも存在します。
経験者が語る、知っておきたい具体的なアドバイス
多くの登山経験者からは、実践的なアドバイスが数多く寄せられています。「迷ったら大きめを選ぶべき」は鉄板です。大は小を兼ねますが、小は大を兼ねません。
「登山用品専門店の店員さんのアドバイスが非常に役立った」という声が多く聞かれます。プロのフィッティングの重要性と初心者の正しい足の測り方の圧倒的な軽視が分かります。
付属のインソールを市販のサポートインソールに交換しましょう。足へのフィット感や衝撃吸収性が格段に向上します。
まとめ:安全で快適な登山のための登山靴選び
登山靴のサイズ選びは、単なる足の長さ合わせではありません。安全で快適な登山には、「捨て寸」の確保が不可欠です。
山行レベルに合わせた靴の選択、そして自身の足型に合ったフィット感も重要です。
足の実測値に加え、1.0cm~1.5cm程度の捨て寸を設けましょう。下り坂での衝撃や足のむくみ、厚手靴下に対応できます。
また、ハイキング、トレッキング、マウンテニアリングといった自身の登山スタイルに合った種類の靴を選びましょう。